2009年10月2日
「マッハスプライサー」開発30周年
紡績の新時代を切り拓いたノットレスヤーン

2009年10月、村田機械株式会社は、自動ワインダー用糸つなぎ装置「マッハスプライサー」の発表30周年を迎えます。
1979年10月2日、ドイツ・ハノーバーで開催された「第8回国際繊維機械見本市(ITMA'79)」で、村田機械は世界で初めて、綿糸用エアスプライサー「マッハスプライサー」を搭載した自動ワインダー「No.7−II」を発表したのです。
自動ワインダーは、糸を紡ぐ「紡績」の最終工程に位置し、太さのばらつきや汚れなど、糸の「欠点」を取り除き、糸の品質を均質に整える機械です。この自動ワインダーでは、欠点を取り除く度に切り離された糸をつなぎ直す装置が必要となります。それが、エアスプライサー=製品名「マッハスプライサー」です。
マッハスプライサーは、圧縮空気を使って結び目(=ノット)無しに糸をつなぎます。マッハスプライサーの登場によって、世界の繊維産業は「ノットレスヤーン」の時代を迎えました。
それまでは、「ノッター」という装置で機械的に糸を結ぶのが主流でした。ところがノッターで糸を結ぶと、一本の糸に何十箇所もの結び目ができてしまいます。編機や織機などの工程では、結び目が引っ掛かり、機械を停めるトラブルがしばしば起こっていました。さらに生地になった後は、結び目が糸のほつれや穴明きの原因ともなりました。
マッハスプライサーによる「結び目=ノットの解消」という紡績糸の品質向上は、精紡機の大規模化や高速化、自動ワインダーでのラージパッケージ化など、紡績工程の生産性向上を促します。織編工程においても、ノットによる機械停止トラブルや生地のほつれ、穴明きといった問題の低減により、織物や編物の高品質化、そして無杼織機の普及をはじめとする織機や編機の効率化、高速化による生産性の向上に寄与しました。
マッハスプライサーがつないだノットレスヤーンは、多くの繊維機械の進化に貢献し、そして製品流通まで含めて繊維産業全体に多大な影響を与えたのです。
繊維産業の新時代を切り拓いた「マッハスプライサー」の発明から30年。エアスプライサーが当たり前となった今日においても、ムラテックはスプライシング(糸つなぎ)技術の研究開発を弛まず続けています。
発明以来のコンセプトであるフリーメンテナンスやカセット交換など、ユーザーフレンドリーな設計思想を受け継ぎながら、生産性やエコロジーに配慮した確実かつ最適な制御技術を進化させてきました。コットンや、ウール、リネンやCSYなど、様々な糸種にあわせたラインナップも充実しています。
スプライサーのパイオニアとして、そして自動ワインダーのリーディングメーカーとして、ムラテックはこれからも世界の繊維産業の発展に貢献する技術開発に取り組んでまいります。
糸をつなぐ装置「マッハスプライサー」
マッハスプライサーでつないだ「ノットレスヤーン」(左)と
それまでの結び目(ノット)のある糸(右)

「ノットレスヤーン」で織った布(左上)と編んだ布(左下)と
結び目(ノット)のある糸で織った布(右上)と編んだ布(右上)

ITMA'79会場で。右端が開発担当者の美馬博司。
美馬の右横の機械が、「マッハスプライサー」を搭載した自動ワインダー「No.7-II」
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