村田機械株式会社

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RFIDソリューション

RFIDをマテハンシステムで活用する

※RFID ソリューションセンターと物流分野への活動展開について、流通研究社「月刊マテリアルフロー」2008年3月号に掲載されました。この内容は、掲載記事から再構成したものです。

RFIDをマテハンシステムで活用する

「村田機械では90年代の初めからRFIDのマテハンシステムへの活用を始め、今日まで継続して取り組んでいます。

この分野では一番導入が早かったのではないでしょうか」と話すのは、ムラタシステムの石田正人。ムラタシステムは村田機械の100%子会社で倉庫管理システム(WMS)などマテハンと連携する情報システムソリューションを担い、石田はRFID導入牽引役を務めている。

RFID導入実績第1号は15年前の1993年、医薬品メーカー向けに構築したピッキングカートの位置認識用にアクティブRFタグ(バッテリーを持ち自ら電波を発信する)を導入したこと。工場を除くマテハン用途では黎明期の事例だろう。また搬送制御システムとしては、95年に2社の通信販売会社向けにアクティブタグを、01年には容器メーカー向けにパッシブタグ(バッテリーを持たずアンテナの電波で励起し交信する)を導入。さらに01年には飲料メーカー向けピッキング位置自動認識システム(床にタグを埋込みフォークリフトのアンテナで読む)にパッシブタグを、04年・07年には大物物品メーカー・食品会社向けのパレット・コンテナ管理システムにパッシブタグを導入している。そして現在も複数の案件を進行させている。

「当初はアクティブタグで、次にパッシブタグを使って容器を循環させるなどクローズドシステムの中で利用してきました」と石田は続ける。「まだ業界標準が確立されずオープン利用は行われていませんが、活用範囲が広がっているのは確かです」

RFIDソリューションセンター開設

村田機械ではそのマテハンシステムによって提供するロジスティクス・ソリューションの狙いを、「消費者起点で価値の最大化を実現する」ことに置き、それを支援するRFIDを今後のキーテクノロジーの1つと位置付けている。

たとえばRFIDは、物流現場でマテハンシステムと連携し「情物(情報と物)一致」を実現することで、業務効率化、TCO(運用・管理コスト)削減、在庫把握・ビジビリティ(可視化)などの価値を提供する。その結果として物流品質向上、リードタイム短縮などの価値を生み、ひいては最終使用者である消費者に「安心・安全・グリーン」といった最大の価値を提供することができる。

RFIDソリューションの検証と構築提案を具体化する実践基地として、村田機械最大の事業拠点である犬山事業所(愛知県犬山市橋爪中島2、敷地面積38万8,428m3)内に「RFIDソリューションセンター」を開設した。オープンしたのは06年11月28日。大手ITベンダーとして既に欧米やアジアでRFID事業を推進しているサン・マイクロシステムズとの協業により、物流システム分野等におけるRFIDのワンストップ・ソリューション開発と市場開拓を目指している。

RFIDソリューションセンターの検証サービス

本センターではロジスティクス&オートメーション(L&A)事業部のマテハン機器と倉庫管理システム(WMS)をベースに、サン・マイクロシステムズのRFID関連ソフトウェア、RFID関連ベンダー各社のリーダライタ、RFタグを組合せた高付加価値マテハンシステム提案により、顧客の物流業務ニーズに則したRFIDソリューションの検証、導入支援サービスを提供している。

提案に際して、「村田機械はマテハンメーカーのニュートラルな立場でRFタグやリーダライタ、アンテナ、その最適な組合せを検証し選定できるのが強み」と村田機械・システムエンジニアリング部の冨岡智は話す。

実際にシステムが稼働する現場環境(工場の一角)に実機を設置し、実践的検証が可能なのも特長だ。この1年余は主に村田機械の営業マンや開発陣が顧客への提案の一環として本センターを活用する限定スタイルとして100人近い来場者を迎えたが、今後は市場拡大の本番を控え、物流シーンでのRFID導入を検討する企業の検証フィールドとして広く開放する。

検証サービスのポイント

・トレーサビリティ管理
・他拠点との情報ネットワーク連携
・業務の可視化(リアルタイム在庫把握、作業員の生産性分析、稼動実績把握)
・環境配慮(リユース、リサイクル、ペーパーレス等)
・業務効率化でのローコストオペレーション
・物流設備での事前検証による運用時リスク低減
・周波数を含め顧客に最適なRFIDシステムの選定・実装検証
・的確なマテハン機器・情報システム設備の選定・実装検証など。

共通検証内容

・タグ、アンテナ等のメーカー選定とアンテナ設置位置、タグ貼付位置などの検証
・複数種のRFタグの特性把握、同時読取(フィルタリング)
・お客様商品特性の検証(商品、梱包資材など)
・検証方法に関するコンサルティング
・RFID導入についてのコンサルティング

ソリューションメニュー

パレットコンベヤによる入出庫

パレットとバケットにRFタグを貼付し、パレットコンベヤで搬送しながらゲートリーダで読取り、入荷予定データとリアルタイムに照合する。UHF帯のリーダアンテナは上部と左右に設置、EPC Gen2規格RFタグをバケットには予め貼付、パレットにはオートラベラで自動貼付し連動させている。レーザーリライタブル装置も同様。その時、今どれだけ読めているか一目で分かる可視化表示ソフトをサン・マイクロシステムズと共同で開発し、活用しているのがポイント。通常の仕組みでは読めた/読めない個数が判別できるだけで、どれが読めないタグかの特定はできず、探すしかない。しかし本システムならそれがはっきり見えるので、商品特性に応じたタグ・リーダ選定、またアンテナ位置や電波強度の調整に大きな威力を発揮するだろう。

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入出荷ゲート

カートラックに積んだバケット品の入出荷ゲートリーダを設置。パレットコンベヤと同様に読み取り状況を可視化し、検証ができる。

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バケット自動倉庫での入出庫

このエリアの3つの提案はいずれも特許出願中の独自開発システムだ。まずバケットとその中の個品にRFタグを貼付、550m/分で高速走行するスタッカクレーンの入出庫口でバケットタグを自動読取りする。またピッキングステーションに出庫したバケットからの個品ピッキングの際、コンベヤ下のアンテナでバケット内の個品タグを読取り、ピッキングに間違いがないかリアルタイムに検知する。ピッキング前後にタグを読み確認するアイデアは他にもあるが、「それでは再入庫処理を完了してからピッキングエラーが表示されるので、再度ピッキングラインへ出庫させリカバリー処理する必要があり、実践的運用ができない」との判断で開発した仕組みである。ここでの村田機械のこだわりは、前述した「読ませるための付加作業を行わない」ことによる、ローコストオペレーションの追及。作業者が通常のピッキング作業で個品を取った瞬間に、間違っていればエラー表示が出せる。

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バケット自動倉庫での自動棚卸

04年の国際物流展で実機提案した機構で、スタッカクレーンが1間口ずつバケットを引き込みながら、キャリッジ(昇降台)に搭載したアンテナでバケットタグと個品タグを自動読取り・照合し、すぐ戻す。動かしつつ読むことで、電波干渉により生じるヌル(不読)点も克服できる。これを夜間に自動で全間口行い、翌朝間違っていたバケットだけを出庫し、人が確認することで、棚卸作業の手間を劇的に削減するというアイデアだ。この自動倉庫ではHF帯(13.56MHz)とUHF帯のいずれにも対応可能なよう、両周波数のリーダアンテナを着脱式とし、バケット・個品タグも両方用意。顧客の要望や商品適性に応じて選定・検証可能になっている。

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高速ソーターでの自動読取り・仕分け

最高速度180m/分のスチールベルトソーターでの搬送中に、ケースタグを自動読取り、仕分け指示に連動させる。周知のように「毎分180mでGen2タグ100%読取OK」とは、ウォルマートのサプライヤーへのタギング要求条件だ。ここでアンテナやタグ、位置などを検証し最適化する。「この場合、実は速度だけでなくコンベヤ上の荷物ピッチが大きなポイントになります」と冨岡氏は説明する。「ピッチが詰まっているほど時間当たり処理量が高まり、RFIDリーダの処理スピードも変わる。問題は180m/分でどこまでピッチが詰められるか」現在は1,080mmピッチで情物一致トレースを実現、従来は1本のソーターラインでは超えられなかった「時間1万個」のカベを越えた。バーコードでは130m/分程度が限界で、全方位スキャナを上下・左右に設置してもこの数字は出せない。それがRFIDならアンテナ1台で、既に99%以上とバーコードリーダ並みの精度を達成している。2ラインが1ラインにでき、スペースも削減できることでコストパフォーマンスを大きく高められる可能性がある。その実現にはケースが通過する瞬間にアンテナが電波を発し、抜け去るまでの10mm sec以下の間に読取を完了しなければならない。PLCとミドルウェア、リーダライタの高度な協調動作が不可欠になる。同時に数mの交信距離を持つUHFタグの場合、別のケースタグを読み過ぎない制御が必要だから、厳しい検証が要求されるのだ。

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平置きラックの保管・ピッキング・棚卸(シンクロリアリティナビゲーション式マップカート)

タギングした個品を人手作業でケースラック入庫・ピッキングするカートピッキング現場のHF帯RFIDシステム化提案。「マップカートシステム」に画像認識装置による自動ナビゲーションシステムを付加。前景をカメラ撮影で端末画面に写しながら、ラックのアルファベット表示を認識し矢印で入庫またはピッキングすべきロケーション位置を示す。ピッキングした個品タグはカートのリーダアンテナでリアルタイム読取り・指示データと照合する。

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平置きラックの保管・ピッキング・棚卸(ヘッドマウントディスプレイ式ハンズフリーピッキング)

作業者が頭部に装着するヘッドマウントディスプレイでピッキング情報を示し、ハンズフリー作業を実現するもの。合わせてウェアラブルリーダと指輪型アンテナで、作業者が手に取った瞬間に個品タグを読取るようにした。「やはりハンズフリーを謳うボイスピッキングでは案外指示を忘れることがありますが、このディスプレイ表示は情報量も多く、完了するまで消えないので確実です」と石田氏は説明する。

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「可視化には経営視点・現場視点があり、両者の意見が相違する場合もありますが、RFIDなら現場の実績数値を可視化してギャップを埋め、意思疎通を図ることができます。偽装を防ぐコンプライアンスや、環境負荷低減などCSR推進にも有効で、それらを含め全社的視点でトータルコストとメリットを考え、初めてRFID導入による競争力向上が実現できます。」と石田氏は説明する。

マテリアルハンドリングを高付加価値化する、次世代システムの力強い胎動が聞こえてきた。

流通研究社WEBサイト

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