パンチプレス金型

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技術情報

ワーク表裏面の品質 押し跡と傷

製品の品質評価で、ワークの押し跡やワークの裏傷が問題となり、対策を求められる場合があります。原因を大別しますと、打抜き時の金型がワーク表裏の押し跡の要因となる場合と、ワーク移動がワーク裏の擦り跡や傷となる場合があります。

ワーク表裏の押し跡

板厚と材質や手配ロットによってワークそのもののバラツキにより品質上問題になる場合があり、押し跡の濃さの差もあります。

要因とストリッパの種類や機種による影響

  • メタルストリッパタイプでは、ホルダーAssyがワークに衝撃的に当たった痕跡が押し跡になり、この時ワーク裏側にもダイ上面との接地面が押し跡となります。
    油圧サーボ&サーボモータプレス機 : 
    ボンデ鋼板はわからず、SPCCは表裏面共僅かにあり
    メカクランクプレス機 : ボンデ鋼板は気にしてよく見ると表裏共に付いて いて、SPCCは上記機種より少し濃い

  • スタイル114のウレタンストリッパでは、打抜き時にウレタンがワークを押付けたまま外周方向に膨らむ時の擦り跡がSPCCで押し跡になり、ワーク裏面ダイの押し跡は殆どわかりません。
  • バルカンツールのウレタンストリッパでは、表裏面共に気になりません。

押し跡の対策
  • 保護シートを使用。
  • バルカンツールのウレタンタイプを使用。(保護シートを使用しない場合の最善策)グループ型等で使用出来ない場合もありますので弊社にご相談願います。
  • スタイル114では、ライトウレタンを使用。ワークの押さえ力が弱く現状より少なくなり、気にならなくなる場合もあります。鋼板 t2.3 ,ステンレス t1.2以下で使用して下さい。
  • バルカンツールでメタル製ストリツパを使用したい場合は、特殊対応になりますのでご相談願います。

ワーク裏傷

ダイホルダー付属のフリーベアやブラシの上端は、標準ダイの上面より出ていてワークが移動中に直接ダイに当たらない様に配慮されていますが、この基本に反する要因とフリーベアー周辺がワーク裏傷要因になります。

裏傷となる要因

  • ダイホルダーのフリーベアーがウレタン製で、損傷していたり鉄粉等の付着によりワークが傷付く場合があります。又、ブラシの損傷や磨耗によりダイに直接ワークが当たり擦れ跡や傷になる場合もあります。
  • 成形型の下型が、標準ダイの上面より僅かでも出ていれば、ワークとの擦れ跡が付いたり、下型上部のストリッパを傷付けその傷がワーク裏面を傷付けることになります。板厚が厚くなるほどワークの重さにより不利です。
  • 旧機種でダイホルダーにフリーベアーがないタイプでは、ダイ上面に直接ワークが当たり擦れ跡や傷になる場合があります。

裏傷対策
  • 損傷したフリーベアーやブラシを交換。
  • 上向き成形型を使用する場合、本機が成形UP/DOWN機構付きの機種であれば、UP/DOWN成形型にする。
  • 上向成形下型ストリッパ表面のコーティングしたものを使用。ご注文の際にご指示願います。TICコーティングを行い、ストリッパの表面を硬く(標準的なヤスリはかかりません)鏡面にする事によりワークが移動時の成形下型に滑らかに滑り上がります。特にカラー鋼板のt1以下で抜群の効果を発揮します。板厚が厚くなれば擦れ跡が残る場合もあり、又、ワークが常時擦れる為、寿命による交換も必要です。又、ステンレス材では鋼板よりも効果が薄れます。
  • 下面センターパンチ型・上向ロケーターポイント型は低ハイトタイプにする。下型の高さを標準ダイと同じにする。ワークをたわませて打つことから、離れての目視だけではわかりませんが僅かな歪は生じます。
  • 旧機種でダイホルダーにフリーベアーが無いタイプではフリーベアーを追加をする。旧機種の初期にはD以下のクランプカバーにフリーベアーが無い事から追加する必要があります。この場合クランプカバーを追加工し、各ダイホルダー毎にセットした状態でフリーベアーの高さを調整して組付ける必要があります。 M2044EZとC2000ではC,Dには付かず、更なる旧機種には取り付きません。
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