2025年7月9日
村田機械グループの村田ツール株式会社(本社:岐阜県美濃加茂市 社長:村田洋介)は、バリ取り用のディスクの高さ調整を自動化した、板金用ディスク式バリ取り機「DB1000F」を開発。7月16日より販売を開始します。
レーザ加工機やパンチプレスよる板金加工時に発生するドロス・スパッタ・バリは板金製品の品質を左右します。ブランク加工機(レーザ加工機やパンチプレス)側での対応も進んでいるものの、加工時に完全に防ぐことは難しく除去が必要となります。人手による除去から徐々に機械化は進んでいますが、従来主流のブラシ式のバリ取り機では、レーザ加工による硬いドロスやスパッタについては完全な除去が難しく、バリ取り機の複数回使用や、手作業での仕上げ作業が必要となる場合もあります。弊社においても、2023年に重切削が可能なディスク方式を採用し、ドロス・スパッタ・バリの除去、面取りまで一度の加工で行えるバリ取り機DB-1000Hを開発・販売しています。
今回開発のDB1000FはDB1000Hのディスク高さ調整機能(自動測定・手動設定)をさらに進化させ、測定から個々のディスクの高さ調整までを自動化することで、5分から10分程度かかっていた一連の段取り時間をDB1000H に比べて1/10程度(当社従来機比)に削減し、生産性と正確性を向上させました。
また、加工時の小物ワークの動きを防止する「マグネットコンベヤ」、短冊ワークの動きを防止する、「ワーク押えローラ」を機内搭載。さらにオプションで機外にもローラを追加することにより短冊ワークの暴れを防止し、より確実な加工を可能としました。さらに、「リターンコンベア」をオプション設定することで、一人作業も可能とするなど、機械化・自動化を進める工夫を随所に取り入れています。
【特長】
◇個々に制御された、前方2個✕後方2個=4個のディスクで重切削加工
ディスクを個々に高さ管理ができ、最適加工ができるようサーボ制御化しました。(特許出願中)
重切削、寿命に優れた独自ディスクを採用しています。
また、ペーパーディスクとソフトディスクの長所を合わせ持つネストディスクを使用することで、面取り能力を向上しつつ、ワークの傷を低減します。
◇設定時時間を大幅短縮するディスク高さ自動調整機能
機械内部の左右前後に配置された4式のロータリーセンサ(特許出願中)でディスク
個々の高さを自動で測定しにディスクの現在位置(原点)をフィードバックします。
高さレベルは±0.03mm以下に抑えることが可能です
◇ワークの“暴れ”を防止するワーク押えローラ
短冊や長物ワーク加工用に機内に「ワーク押えローラ」を標準で3式搭載し、
加工時のワークの動きを防止します。
さらに長尺のワークに対してはオプションで機外にローラの追加も可能です。
◇磁性体ワークを固定するマグネットコンベアコンベヤ
コンベヤ中央部にマグネットを配置(250㎜幅)。
小物ワーク(磁性体)加工時のズレをマグネット固定することで防止します。
◇ブロアレスマシン
ブラシタイプのバリ取り機に比べ電気容量は約1/3(当社機比較)となります。
◇MI機能
メンテナンス画面では任意で5項目の内容が登録可能です。ディスク寿命、グリス、
集塵機のフィルタなどのメンテナンス時期推奨時間を登録することで運転画面に
注意喚起として表示(通知)します。
■主な仕様
加工サイズ(幅×高さ) |
1100 mm × 50 mm |
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ディスク軸構成 | ディスク径φ180 mm 前列2列/後列2列 |
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各軸設定範囲 |
ディスク軸 | 400 rpm ~ 1200 rpm (100単位) |
揺動幅 | 0 ~ 780 mm (1単位) |
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揺動速度 | 5 ~30 m/min. (5 mm単位) |
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コンベヤ | 0.3 ~3.0 m/min. (0.1単位) |
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昇降軸ストローク | 150 mm |
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機械寸法 |
2345 mm (W) × 1449 mm (D) × 1832 mm (H) |
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電源容量 |
8.3 kVA |
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機械重量 |
1500 kg |