第41期

小野利和さん

米国 スタンフォード大学
(九州大学 工学府 物質創造工学専攻 博士後期課程3年)
2010年4月~2011年3月

2010年4月より2011年12月まで、米国のスタンフォード大学に博士研究員として滞在しました。目標は「新しい研究分野に挑戦すること!」であり、学位論文で専攻した高分子化学とは異なり、合成生物学やケミカルバイオロジーに関連した「DNA修復酵素の酵素活性に応じて光る蛍光プローブの開発」に取り組みました。

文化や言語の壁は覚悟していましたが、海外で異分野の研究を行うことには想像以上に苦労しました。何より「研究留学するからには、何かしら証拠を残すこと!」を頭に置いていたため、成果を研究論文として形に残すことを目標としました。留学当初は何が新しい研究なのか?と自問自答することも多々あり、ラボメイトと毎日のようにコーヒーを飲みながら研究や人生について語りあったことが懐かしく思えます。また、スタンフォードの広大なキャンパスの中で毎週金曜日にはサッカーを楽しんだり、頻繁に開催されるBBQに参加して交流を深めたりするなど、1年9ヵ月の短期間でしたが、とても居心地の良い留学生活を送ることができました。

今思えば満足のいく語学力(英語力)を身につけることができなかったのが心残りですが、文化や言語の壁を越えても理解し合える友人ができたことは、研究能力や留学生活で学んだ人間力に加え、重要な財産となりました。

最後になりますが、研究留学に関して私(即戦力でない研究者)を受け入れてくださったKool先生の度量の広さ、そして、度重なる私の我が儘にも丁寧に対応していただいた村田海外留学奨学会の多大なご支援に大変感謝致します。