第55期

勝見亮太さん

米国 コロンビア大学
(豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 材料エレクトロニクス専攻 助教)
2024年4月~2025年3月

私は2024年4月からアメリカ合衆国ニューヨーク州にあるコロンビア大学に約1年間、Visiting Professorとして滞在しました。現代社会においては、あらゆるデバイスの集積化・小型化が進められております。中でも光のデバイスを量子技術向けに集積していくために、非線形光学分野を研究されているAlexander Gaeta教授のもとで研究に取り組んでいました。具体的な研究内容は割愛いたしますが、現地での計測システムやクリーンルームの利用を通じて、集積量子非線形フォトニクス分野の研究に一年間専念できました。

コロンビア大学では、所属研究室以外のグループとも連携して研究を推進しました。例えば試料作製についてはMichal Lipsonグループに依頼し、光学測定についてはJames Schuckグループの設備を拝借しました。このようにコロンビア大学では横の連携が非常にスムーズでとりやすく、さらに些細なことでも学内で議論・相談しやすい環境でした。レベルの高い議論を様々な分野の人と当然のようにできる環境に毎日刺激されるとともに、このような環境に身を置くことができたことに改めて感謝いたします。またこのほかにも多数のグループとのコネクションも得ることができ、今後の研究生活に積極的に活用していきたいと思います。

留学を通して、コロンビア大学以外にも、ニューヨーク大学、ニューヨーク州立大学との交流も行うことができました。ハイレベルな研究機関が密に集合している点がマンハッタンの強みであると感じたとともに、そのコミュニティに少しでも入ることができたことを幸せに思います。この縁を今後も大切にしていきながら、自身の研究内容をさらに発展させていきたいと存じます。

生活面において、コロンビア大学のあるマンハッタンは非常に便利で快適に過ごすことができました。基本的にアメリカの大学の大多数は大都市にはないため、地下鉄・徒歩でほぼ移動可能なマンハッタンは東京出身の私にとっては非常になじみやすい街でした。マンハッタンは物価は高いものの、基本的に何でも揃いますので、日本食好みな私でも食事等で困ることはほとんどありませんでした。ハウジングについて、実はビジター用のハウジングはなかなか見つけるのが難しいのです。一方、知り合いのコロンビア大学に滞在されていた先生よりInternational Houseという国際宿舎を勧めていただき、そちらに滞在しました。大学にも徒歩10分以内で通える上に治安もよかったため、マンハッタンで研究滞在される場合には魅力的な場所だといえます(部屋のタイプは抽選制となりますが、交渉可能でした)。

最後になりましたが、留学期間手厚い支援をいただいた村田海外奨学会の皆様に深く感謝申し上げます。心より感謝申し上げるとともに、奨学会のさらなるご発展をお祈りしております。またこれからも多くの学生・研究者が村田海外留学奨学会の支援を受けて海外研究機関に挑戦されることを願っております。