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2018年04月18日

金型への埋込み型センサシリ-ズ新製品「MEL1007」を発売

村田機械株式会社

 村田機械株式会社(本社:京都市伏見区竹田向代町136 社長:村田大介)制御機器事業部は、射出成形金型に埋め込み、金型の開き量や動作量を測定する位置センサ「MEL1007」を開発、4月より販売開始しました。

 

 自動車業界においては、燃費向上のための車体軽量化を目的とした金属部品の樹脂化がますます進み、より高精度なプラスチック成形加工が求められています。自動車業界をはじめとする、高品質が求められるプラスチック成形加工では、成形時の金型の挙動を把握するため、開き量などを正確に測定し、試作成形時の条件設定や量産時の稼働監視に活用したいというニーズが高まっています。

 

 当社は2017年4月に、成形金型に直接埋め込むことでコア(雄型)とキャビティ(雌型)の開き量やたわみを正確に測定できる耐熱性位置センサ「MEL1002」を発売し、主に射出成形加工業や射出成形機メーカーのお客さまに導入されてきました。新製品の「MEL1007」は、MEL1002の検出ストロークを2mmから7mmに延長することで、射出成形加工のコアバック法(*1)や圧縮成形(*2)など、金型の動作量が大きく2mmストロークでは対応できなかった加工法や、より高精度な金型制御が必要な加工にも利用できるようになります。

(*1)コアバック法(コアバック射出発泡成形):射出成形において、材料を金型内に射出充填した後、コアをスライドさせて金型内の容積を拡大し気泡を生じさせ、剛性を維持しながら軽量化につなげる加工方法。

(*2)圧縮成形:金型内に材料を入れ、圧力をかけながら加熱溶融させたのち冷却して硬化させる加工方法。

 

「MEL1007」は、「MEL1002」同様150℃の耐熱性を有し、射出成形機の金型に埋め込みが可能です。測定値は当社の変換器「MPD200」他で出力してデータ蓄積や成形機制御に活用することができ、さらに当社の金型挙動モニタリングシステム「Muratec Molding Monitor」と組み合わせ、金型内の圧力・温度などの各種センサデータと合わせて分析することにより、詳細な金型挙動を把握することが可能です。

 

 

【磁気誘導と位相検出方式により、すぐれた繰り返し精度と耐環境性を有するムラテックの磁気誘導式センサ】

ムラテックの磁気誘導センサは、二つの巻線コイルとコイル内を移動する磁性体から構成され、誘導出力の位相差を計測することにより変位や位置を検出するため、優れた繰り返し精度を有します。またシンプルな構造により、振動や衝撃に強く、油・塵埃・温度などへの耐環境性にも優れた位置センサです。

 

【制御機器事業部について】

制御機器事業部は、データを活用するIoT社会に貢献する重要なキーデバイスとなるセンサ製品に加え、センサと制御部を統合したFA製品用モジュール・アプリケーションの開発と販売を行う目的で2013年に発足しました。汎用品メーカーでは供給できない、FAメーカーならではのユニークなセンサ、コントローラ、並びにそれらからなるシステムの提供を目指しています。

 

【仕様】

型式 MEL1007- L/SF/S
検出ストローク 7mm
繰り返し精度 ±2μm
直線性精度 10μm以下
最高分解能 0.125μm
耐衝撃 100G
耐振動 20~150Hz/5G
耐久性 300万回
使用温度範囲 M0~+150℃

MEL1007-L(左)、MEL1007-SF(右)