TOP

企業情報

NEWS一覧

2025年度 国立科学博物館重要科学技術史資料(未来技術遺産)に当社開発技術が登録されました

NEWS

NEWS一覧へ戻る

2025年度 国立科学博物館重要科学技術史資料(未来技術遺産)に当社開発技術が登録されました

2025.09.11

当社が開発した3つの技術が、国立科学博物館が登録を行う「未来技術遺産」に登録されました。
『空気仮撚り式結束紡績機MJS (Murata Jet Spinner) のタンデムノズル』『ボルテックスノズルを搭載した空気渦流式オープンエンド紡績機(VORTEX 870)のユニット』『マッハスプライサーG2Z-FB0-N1 を搭載したマッハコーナーNo.7-Ⅱ』の3件です。

重要科学技術史資料(未来技術遺産*)とは独立行政法人国立科学博物館が定めた登録制度で、日本の科学技術の歴史的価値を持つ資料を保護・顕彰するものです。
全国の全科学技術を対象に評価し、その保存と活用を図るため、登録が行われています。

*未来技術遺産:過去の科学技術史資料のうち未来へ引き継ぐべき遺産として名づけられた愛称。

 

重要科学技術史資料として登録された資料

空気仮撚り式結束紡績機MJS (Murata Jet Spinner) のタンデムノズル ―世界で唯一商用生産に用いられたエアージェット精紡機の紡績ノズル―

高圧空気の旋回流で繊維束に仮撚り(一時的な撚り)を生成し、その撚り戻りで一部の繊維が結束するエアージェット精紡機MJS (Murata Jet Spinner) の紡績ノズルは、仮撚り生成のノズルと結束繊維を巻き付けるノズルをタンデムに配置することでシングルノズルの不安定さを解消したもので、それを搭載したエアージェット精紡機MJSは1981年に上市されました。リング精紡機の約10倍の生産速度を誇り米国の織布市場に広まりました。
この技術は、後に開発される革新的なボルテックス紡績技術への起点でもあり、世界で唯一商用生産されたエアージェット精紡機用ノズルとして高速紡績発展へ寄与したことが歴史的に重要であるとして評価されました。

 

・ボルテックスノズルを搭載した空気渦流式オープンエンド紡績機(VORTEX 870)のユニット ―比類のない高速生産性と布品質を両立した革新技術―

空気渦流式オープンエンド紡績機とは、1950年代以降、世界的に糸需要が逼迫し、従来のリング紡績方式に代わる精紡機のニーズの高まりを受けて新たに生まれたボルテックス方式の紡績機です。500m/分の圧倒的な生産性に加え、その独特の糸構造に由来する優れた布特性により世界市場での紡績技術としての地位を確立しました。
紡績機の進化において歴史上非常に重要であるとして評価されました。

 

・マッハスプライサーG2Z-FB0-N1 を搭載したマッハコーナーNo.7-Ⅱ ―世界初、結び目のない紡績糸の糸繋ぎ技術―

世界初の結び目のない紡績糸の糸繋ぎを実現した装置・マッハスプライサーを搭載したのがマッハコーナーNo.7-IIです。
それまでの技術では、長い糸巻きを作る際、機械的に糸を結ぶため、結び目は大きなコブになり2本の糸端が飛び出した糸ができてしまいました。結び目の多い糸は布欠点も多く、次の整布工程の高速化に伴い機械停止が増加してしまい実用性にも欠けていました。
スプライサーの登場は、継ぎ目品質の大幅な改善に留まらず、リング精紡機の高速化・省エネ・ヤーンクリアラー(糸の不良部検出装置)の性能向上など紡績技術へ大きく貢献しました。今日に至るも世界標準の技術として世界で広く使われている重要な技術として評価されました。

 

繊維機械事業部サイトはこちら https://www.muratec.jp/tm/

VORTEXウェブサイトはこちら https://www.muratec-vortex.com/jp/

前の記事

次の記事